InnodiMameli.magazine
2022.04.07

『マメーリの賛歌』って知っていますか?ーイタリア国歌の歌詞を読むー

Buon giorno(ボンジョルノ)!
池袋のライフスタイルショップ、Vita ricca(ヴィータ リッカ)ブログのイマイです!

Vita riccaという店名はイタリア語で「豊かな人生」という意味で、イタリアのデザイン店内もイタリアをコンセプトにデザインされ、イタリア文化から色んなインスピレーションを得ています。

そこで、、、突然ですが、みなさん!イタリアの国歌でご存じでしょうか?
『マメーリの賛歌』(別名『イタリア人達の唱歌』)と言うのが現在のイタリアの国歌。
じつはイタリアは近年まで国歌を定めていませんでしたが、2017年に法律で制定されました。

今回は『マメーリの賛歌』の歌詞を少し紹介したいと思います。少しだけイタリアに詳しくなれるかも知れません。

『マメーリの賛歌』の歌詞

『マメーリの賛歌』は1番~5番に加えてコーラス部分がありますが、実際歌われるシーンでは1番とコーラス部分のみが歌われることが多いので、今回は1番の歌詞を紹介したいと思います。

『マメーリの賛歌』1番歌詞(日本語訳)

イタリアの兄弟、
イタリアは目覚めた
スキピオの兜をその頭上に被りて
勝利の女神ウィクトーリアはいずこに?
その御髪をささげん
神はウィクトーリアを創造す
ローマの婢として

歌詞に出てくる用語を解説

  • スキピオ

3行目に出てくる「スキピオ」は、イタリア史を語る上で欠かせない古代ローマ時代の英雄的軍人です。
スキピオはローマの最大のライバル国家カルタゴの将軍ハンニバルを破り、国家を救った救国の英雄となりました。

国歌の歌詞の中に軍人がでてくるっというのも日本ではなかなか考えづらいですよね。
感覚的には日本の国歌に織田信長や豊臣秀吉が登場するような感覚でしょうか。

  • ウィクトーリア

4行目と6行目に登場する『ウィクトーリア』は、ローマ神話に登場する勝利の女神です。
古代ローマでは重要な女神として、多くの寺院が建設され捧げられたといわれています。

神様が国歌に登場するというのも日本人にはビックリかも知れません。
しかも現在9割がキリスト教を信仰している国にもかかわらず、古代ローマで信仰されていた女神が歌詞に出てきているのは驚きです。
日本でいうところの天照大神(あまてらすおおみかみ)が国歌に登場するようなイメージですね。

古代ローマの後継国家の意識

「スキピオ」「ウィクトーリア」が出てくることから現在のイタリアが古代ローマをすごく意識していることがわかりますよね。
もし日本の国歌に邪馬台国時代のことが登場したらちょっとびっくりしますよね。
しかも古代ローマは邪馬台国より1000年近く前に成立したとされる国です。スキピオだって紀元前200年前後に活躍した人物です。2017年に成立した国歌に紀元前の人物がでてくるには興味深いですよね。

それだけ古代ローマは、文化においても国会体制においても、現在のイタリアにも影響が及んでいるということですね。現代のアメリカやフランスの制度にも大きな影響を及ぼしているとされているローマですが、お膝元のイタリアへの影響はほんとに大きい。

今度、古代ローマについても記事も書いてみたいですね。

それでは、grazie(グラッツェ)!